ランブラスをうろついていた。
もっぱらレアル広場でたむろして、「どうしよう?」なんて考えた。
昼間からビールを飲みガンジャってた。
言葉は話せなかったが片言のスペイン語でどうにかなった。
一体どうなってるの俺。
仕事を通じてであった建築カメラマンの鈴木久夫氏に心の底まで
お世話になり、なんとか生き延びていく事が出来た。
今でも最高に感謝している。なんとなく段々ROCK根性を蘇らせ
ポジティブな思いに震えた事を覚えてる。
僕は彼のアーティスティックなハートに触れた。
人を見る繊細さ、物を観察する鋭さ、人の生き方さえまで感動する柔軟さ。
話す言葉の優しさ、酒を飲んだ時のめちゃくちゃさ、仕事に対するモチベーション。
すごい影響されたよ。
そんな時に彼のマネージメントをやっていたセルヒオが
スペイン語がもっと話せなくてはダメなんて、同級生のマルタという女性教師を
紹介してくれて、せっせと彼女のマンションまで通ったものだ。
彼女は英語も日本語も話せないスペイン語教師だ。
でも、不思議に理解できた。タバコを吸いながらの授業はなかなかものだった。
セルヒオの噂で彼女はまだ、バージンらしいから気をつけろなんて言われたが
くだらねぇーっ!冗談じゃない結構なおばさんだ。
31歳だったか、、、日本人の31歳はぜんぜんイケルがなぜかスペイン人って
なんであんなに老けちゃうんだろう?中学生くらいが丁度良く見えたよ。
しかし、困ったものだ。
持ち金が底をついてきた。みんな飲んでつかってしまった。
ワインを飲みチョロラーテを吸い、まさしくバルセロナのネズミだ。
なんとか稼がなくてはいけなかった。
鈴木氏にお世話になり、出張カットの仕事をもらうことが出来た。
電車に乗りピレネー山脈の方まででかけたんだ。でも、そこそこお金になったので
よかったよ。っていうかスペインの美容師が下手過ぎたのでかなりの人気だったよ。
店を出店する話まで出て来てしまって、、、。でも、そんな気はサラサラなかったんだ。
今思えばもったいなかったかな。
Rat Trap.