nezumi


2004年スペインでショッキングな事件が起こった。
アトーチャ駅での列車爆発テロ。
そのアトーチャから程近いところに仕事で出かけた。
そこで、またしてもプロといものを実感したんだ。
撮影現場に入って
早速 メイクアップをはじめた。
モデルクラブから来た2人のモデルのメイクだ。
まだ、駆け出しだった僕は一生懸命だよ。
とにかく、ベストの仕事をやらなくてはと。
自分の仕事を認めてもらわなくてはならなかったから。
しかし、問題発生。
用意されたメイクブースが異様に暗いんだ。
でも、僕としては仕事を全うしたいという気持ちがあり
全力疾走だ。
また、問題発生。
モデルがタバコを吸うは動くはもう大変。
会話もなんだかわけわからないことを言ってるし。
当時は片言のスペイン語すら話せなかったからだけど。
僕が話す事と言ったら「シー」「シー」「シー」だけだ。
今考えれば、相当ダッセー日本人メイクだ。
なんやかんやと撮影は無事終了した。

結局お昼からケメラマンとバーで飲んでしまった。
その時のカメラマンは
マドリード在住の日本人カメラマン丸山氏だった。
そんな仕事の経緯など話しながら楽しく飲むはずだった。
いきなり説教が始まってしまったのだ。
結局 プロとして仕事を全うするのであれば
怒れ!図々しくなれ!ということだった。
「こんな暗い所じゃ事後と何か出来ない!」
モデルに対しても、
「動くんじゃねぇー!」
「タバコなんか吸うな!」
自分にとってベストな環境にもって行かなければ
駄目だ!といことを永遠話されてしまった。
プロというものを知った瞬間だった。
でも、僕は「シー」「シー」「シー」だ。
まいった。

結局盛り上がってしまって、
シェリーとワインを空き瓶に樽からつめてもらって
3本テイクアウトしてきた。
シェリーが200ペセタ、ワインが150ペセタだった。
安過ぎ!
そして、丸山氏の自宅でベロンベロン。
丸山氏も相当酔っぱらって
話はガンジャになってしまった。

結局 マインド的な自分自身をどう高めて行くかが
課題になって、その場を去った。

しかし、日々が強烈なんだよね。

毎日が集中そして、ベロンベロンの繰り返し。

ネズミが30cmもきしむベットの上に腹を上に向け倒れていた。