すっかり気分はカメラマン。
なんとなく写真っていうと、仕事がらファッションを
連想していた。
しかし、写真学校も出ていないし
今からアシスタントになるのでは生活出来ない。
どうしよう?

乗りかけた船だからみたいに、、、
なるようになるさ。

しばらく鈴木さんと時間を過ごしていた。

鈴木さんが写真とはなんぞやを勉強しておいでということで
鈴木さんの師匠である新宿の箕輪先生を紹介してもらった。
箕輪先生は曙橋の隣でスタジオを経営していて、
料理写真界の大御所だ。
しばらくアシスタントっぽい事をやらせてもらった。

はじめて、スタジオに入り、、、緊張。
なんか変な空気がただよっている。
弟子と師匠の緊張感というか、変な感じだった。
弟子は数人いて、張りつめた感じで仕事をしていた。

僕はといえば、何をしたら良いのかわからず
ただ、見てるだけだった。
誰も話しかけてこないし、、、。
「たえらんね~~っ」
それでも、見ているだけの日々を繰り返していた。

なんか取っ付きづらい人もいたが、
凄い世界だったよ。

料理の写真も芸術なんだなあと呆気にとられた。
光を操る、、、本当に凄い!
先生の目も強烈だった。プロというより職人だった。
米の一粒、湯気の動き、食器の光沢、全て完璧な
表現を求めている。
さすが鈴木さんの師匠だ。

撮影が済んだ料理は皆で食べてしまうのだが、
会話も無く食べるのってつらかったなあ~。

ただ一人 久保田 健というアシスタントを勤めていた
人と仲良くなった。

少しの救い。

彼ももう独立しているのだろう。
たまに雑誌の写真で名前を目にする。