ranbla


ある時気が付いたんだよ。
自分がやりたいこと事ってなんだ?欲しいものってなんだ?って。
地位?
お金?
注目されたい?
人にないもの?
・・・
結局はわからないんだよね。
ただの目立ちたがり屋?

たとえば、今目指しているものが叶ったとして
そこに何があるのか分からなくなってしまった。
結局 日本に置いて来たシビアな現実からの逃避なのか。
欲求で雁字搦めになったただのマスターベーション野郎。
夢なのか逃避なのか、、、、。

アップダウンの毎日が訪れた。

ポジティブって前向きでカッコイイって勘違いしていた。
ネガティブの美しさを知らなかったんだ。

ある時 ランブラスで
ジョンボンジョビに似たロックシンガーに出会った。
彼はソバージュ風味なブロンドヘアーで肩くらいまであったか。
ジーンズにウエスタン風の革ジャン。
僕も肩まで伸びた髪と破れたジーンズそしてサングラス。
相当イカレタ東洋人に見えたのか話しかけて来た。
「何やってんの?」
話した言葉が英語だったのでなんとか通じた。
「マリファナどこで手に入る?」
「レアルに行けばOK」
いきなりそんな会話を交わしてしまった。
そして、彼がロックをやっていることを知らされ
彼の出演するDISCOに行った。
音楽自体はスペイン語のポップスみたいで
相当カッコ悪かったが、
彼のマインドはとても素敵だった。
彼女に対する気持ちが凄い!
お姫さまを扱うようだったよ。
しかも、黒髪のめちゃくちゃ奇麗な女だ。

彼には、僕が考えているような重いものは無かった。
すべてが軽くしなやかだ。
今をいかに楽しく過ごすかが第一なのだろうか。

いつでも、明るい笑顔とロックからかけ離れた
優しさ。いつしか彼の行動とか言葉に興味をひかれた。
凝り固まって生きるより、しなやかに生きたい。
でも、凝り固まりたい頑固さ。日本人的なのかな、、、。

しかし、スペイン人のロックは調子悪い。

ポジなのにネガの美しさを感じられるのは
写真家だけではないだろう。
自分自身を探しても見つけられなかったのは
季節の無い町に住んでいたせいかな?
無機質な会話の中に優しさを求めても
むなしさだけが残るのは当然なんだな。
追いつめられた時にランブラスは優しくしてくれた。

きっと求めるものは、与えた時に
手に入る気がした。

ネズミのマスターベーション。

nezumi


2004年スペインでショッキングな事件が起こった。
アトーチャ駅での列車爆発テロ。
そのアトーチャから程近いところに仕事で出かけた。
そこで、またしてもプロといものを実感したんだ。
撮影現場に入って
早速 メイクアップをはじめた。
モデルクラブから来た2人のモデルのメイクだ。
まだ、駆け出しだった僕は一生懸命だよ。
とにかく、ベストの仕事をやらなくてはと。
自分の仕事を認めてもらわなくてはならなかったから。
しかし、問題発生。
用意されたメイクブースが異様に暗いんだ。
でも、僕としては仕事を全うしたいという気持ちがあり
全力疾走だ。
また、問題発生。
モデルがタバコを吸うは動くはもう大変。
会話もなんだかわけわからないことを言ってるし。
当時は片言のスペイン語すら話せなかったからだけど。
僕が話す事と言ったら「シー」「シー」「シー」だけだ。
今考えれば、相当ダッセー日本人メイクだ。
なんやかんやと撮影は無事終了した。

結局お昼からケメラマンとバーで飲んでしまった。
その時のカメラマンは
マドリード在住の日本人カメラマン丸山氏だった。
そんな仕事の経緯など話しながら楽しく飲むはずだった。
いきなり説教が始まってしまったのだ。
結局 プロとして仕事を全うするのであれば
怒れ!図々しくなれ!ということだった。
「こんな暗い所じゃ事後と何か出来ない!」
モデルに対しても、
「動くんじゃねぇー!」
「タバコなんか吸うな!」
自分にとってベストな環境にもって行かなければ
駄目だ!といことを永遠話されてしまった。
プロというものを知った瞬間だった。
でも、僕は「シー」「シー」「シー」だ。
まいった。

結局盛り上がってしまって、
シェリーとワインを空き瓶に樽からつめてもらって
3本テイクアウトしてきた。
シェリーが200ペセタ、ワインが150ペセタだった。
安過ぎ!
そして、丸山氏の自宅でベロンベロン。
丸山氏も相当酔っぱらって
話はガンジャになってしまった。

結局 マインド的な自分自身をどう高めて行くかが
課題になって、その場を去った。

しかし、日々が強烈なんだよね。

毎日が集中そして、ベロンベロンの繰り返し。

ネズミが30cmもきしむベットの上に腹を上に向け倒れていた。

bar


自分の思いを込めて表現出来る。そして、心を動かす。
僕はそんな人に憧れているのかも知れないな。
出逢いそして影響を受ける人はみんなそんな人だ。
仕事に妥協しない。いつも酒を飲むと行き着く先の会話は
マインドだ。
いつも、心のベクトルは上を向けと自分自身に言っているんだ。
表現者は表現者同士と自分の思いというの針の先のようなところで
会話を楽しんでいるんだな。

妥協しない。
前に話した建築写真家の鈴木氏の撮影に同行したことがある。
仕事は、バルセロナオリンピックの体育館と塔の撮影だった。
当時 マラソンコースで心臓破り丘として有名だった
モンジュイックの丘からの撮影だ。
鈴木氏のアシスタントのエンリックがジナー4×5の
重いカメラをせっせと運ぶ。
僕は三脚をもった。(アシスタントだ)
カメラをセットして
撮影に入ろうかとしていたところ
急に鈴木氏は座り込んでしまった。
どうしたんですか?
たずねたら、東からカッコイイ雲が流れてくから
それを待とうだって!
永遠待った。
やっと雲が来た時なんと太陽までが塔の
真上に来ていた。
3回シャッターを押して終了。

僕にとっては凄い瞬間だった。
その時の光景は今でも映像のように記憶している。

そして、仕事は終わり
お昼からビールとワインを飲みはじめてしまった。

結局ジャニスの話になったのを覚えている。

jimi


10代の頃 仲間と集まっていつまでも
夢だけを語っていた。
「絶対BIGになろうよ」なんて、、、。
時間の隙間を過ごしていたような感じだった。
そんな瞬間と凄く似ていた。
今なら取らぬタヌキの皮算用的だが。
でも、実に心地良い時間だよ。ハイ。
UPするととことん上がりっ放しになっちゃうよね。
でもなぜかそこに70年代ROCKが流れているんだ。
21世紀に変革をもたらすのは
70年代ROCKじゃないかと
密かに考えている。
やっぱり、
ドラムはガットよりミッチミッチェルが好きだ。
バルセロナの深夜。まともに話せなくなる程ヘベレケ。 どれ位の酒を飲んだのか、、、。 地下の薄暗いバーの合い向かいの席に彼女がいた。 当時スタイリングとかいう雑誌の副編集長をやっていたHIROKOという女だ。 とにかく酒を飲むはちゃめちゃな人だった。 当時の僕から見たらまるでジャニスのように見えたよ。 夢とか目標とか手が届きそうも無いやつに無理矢理に 手をのばし掴むようなトリッキーな会話の連発。 止めども無いジャンキーの話。 僕はこんなバルセロナの薄汚れた店で気持ちがこんなにトリップするとは 思いもしなかった。 ディストーションなんてものじゃない破けるようなファズの音だ。 何時間も同じ話をしていた。 (時間が無くなったので続きは明日、、、、。)

rat

ランブラスをうろついていた。 もっぱらレアル広場でたむろして、「どうしよう?」なんて考えた。 昼間からビールを飲みガンジャってた。 言葉は話せなかったが片言のスペイン語でどうにかなった。 一体どうなってるの俺。 仕事を通じてであった建築カメラマンの鈴木久夫氏に心の底まで お世話になり、なんとか生き延びていく事が出来た。 今でも最高に感謝している。なんとなく段々ROCK根性を蘇らせ ポジティブな思いに震えた事を覚えてる。 僕は彼のアーティスティックなハートに触れた。 人を見る繊細さ、物を観察する鋭さ、人の生き方さえまで感動する柔軟さ。 話す言葉の優しさ、酒を飲んだ時のめちゃくちゃさ、仕事に対するモチベーション。 すごい影響されたよ。 そんな時に彼のマネージメントをやっていたセルヒオが スペイン語がもっと話せなくてはダメなんて、同級生のマルタという女性教師を 紹介してくれて、せっせと彼女のマンションまで通ったものだ。 彼女は英語も日本語も話せないスペイン語教師だ。 でも、不思議に理解できた。タバコを吸いながらの授業はなかなかものだった。 セルヒオの噂で彼女はまだ、バージンらしいから気をつけろなんて言われたが くだらねぇーっ!冗談じゃない結構なおばさんだ。 31歳だったか、、、日本人の31歳はぜんぜんイケルがなぜかスペイン人って なんであんなに老けちゃうんだろう?中学生くらいが丁度良く見えたよ。 しかし、困ったものだ。 持ち金が底をついてきた。みんな飲んでつかってしまった。 ワインを飲みチョロラーテを吸い、まさしくバルセロナのネズミだ。 なんとか稼がなくてはいけなかった。 鈴木氏にお世話になり、出張カットの仕事をもらうことが出来た。 電車に乗りピレネー山脈の方まででかけたんだ。でも、そこそこお金になったので よかったよ。っていうかスペインの美容師が下手過ぎたのでかなりの人気だったよ。 店を出店する話まで出て来てしまって、、、。でも、そんな気はサラサラなかったんだ。 今思えばもったいなかったかな。 Rat Trap.
湾岸戦争のとき、ヨーロッパに行く人が少なく JALとイベリアの共同便だった。乗客は数える程だったように 覚えている。なぜか行き先はスペインだった。 ヘッドフォンからはギルモアのディストーションサウンドが響き ジャニスのしゃがれ声をうねらせディランで一息ついた。 最大級にモチベーションをアップさせた。 小さなワインを6本程飲んだ時 JALの森さんというスチュワーデスさんが 怪しい奴が一人でグデングデンになっているのを 見兼ねたか何回もオーダーをかけられるのが面倒になったか 「私の気持ちです。」と持って来てくれた大盛りのバーボンのロック。 勘違いした僕は妙に嬉しくなり 彼女に自分の夢まで語ってしまった。 今思えばただの酔っ払いの相手だったのだろうが、 なんか惚れてしまった気分になってしまった。 言い忘れたがその時の目的はメイクアップアーティストで ヨーロッパで活躍することだった。 僕自身は特別なことをしているような ただの思い上がりが分からなかった。 ネズミの思い上がり。

RATS

随分 古い話だが Floydのザ・ウォールの映画をみた時 はじめて、ボブゲルドフに出会った。 強烈なキャラと 強烈なメッセージ。 それからというもの 自分を重ね合わせるようになってしまった。 今考えると良かったのか悪かったのか、、、不明だ。 誰にでもチャンスって巡って来るようにも感じたし、 自分にも巡って来るように思えた。 いくつかのチャレンジを心みてから 何年がたっただろうか。現在進行中であるが。 廃墟をうろついているネズミが夢を実現する。 そんな思いがしてならない。 僕はうろうろしているだけだな。 夢を追いかけて夢中になっている時は 気持ちのベクトルも上を向いていて気持ち良く なんか充実感なんて味わってしまって、、、。 でも、気が付けば「あの時は、、」なんて過去の 思い出に浸っているだけではないか。 ROCKはモチベーションをアップの材料でしかなかったのかな。 思い出話には、したくないからここに記してみようと 思っている。